Essay
「無 ~ 創造 February 2006」
February 2006.
無~創造“天鼓”
あいにくの曇り空の下 2 月 4 日「夏祭り in Sydney2006 」は行われた。
当初、シドニーの強い日差しの下での屋外演奏を想像していたが、この様な状況での演奏は私にとってむしろ清々しく新鮮で心地好い条件であったかのように思う。日豪交流年オープニングイベントと両々相俟って人出は 20,000 人に達したと耳にした。
時折吹く強い風によって難に直面されたパフォーマーが居た。彼の曲芸は私にとってどこか安堵感を与えてくれる温かみ心情が有る。
各パフォーマーそれぞれが色々の気持ちを含み、それぞれの感情表現が人々に何かを与え、そして何かに誘起され、そこに意味を持たせる。
時を費やし、何かを犠牲にし、何かが生まれ、そして何かに直面し感じたことを自己表現する。自分に於いてそれは否定から始まり身体を通じて感情表現される。私にとっては対話演奏が 1 つの究極の場所でもあり無から創造、心と体の相克の刹那瞬間でもある。有る時は肉体を極限に追い込まなければ分かり得る事は難しい。何故ならその果て瞬間に自分に於ける意識が開け精神の思索を知る事ができ、求め得るものがあった。自己自身の求めつつあるもの。それは無限の自然森羅万象であり永遠の課題。この瞬間何かが発信された。
我が国日本が誇る和太鼓、祭り太鼓から音楽太鼓への転換、反面、諏訪大社伝統の心技体礼節そして、創造の轟響、命の脈動、雄叫び。
日本太鼓道とは何か!
師、小口大八宗家、北米太鼓連盟総長、田中先生をはじめとする諸先生方、(財)日本太鼓連盟、又、三枝事務局長はじめ今回携わった多くの日豪交流年実行委員会関係者方々に感謝申し上げます。“一期一会此亦合縁奇縁為”
合掌
2006 年 2 月 7 日
(財)日本太鼓連盟
御諏訪太鼓保存会
全国御諏訪太鼓連合会 関口達夫