天鼓道場 Dojo Tenko


「無 ~ 創造」

Essay

「M ~ 旅人 May 2006 Cairns」

May 2006, Cairns

「 M ~旅人 」

往路約 3,000km (往復 6,000km )レンタカーと共にケアンズに向かう。

ただただひたすら走り、ひたすら時間が流れていくのを知り、この過ぎ行く時を デステネーションとしてリアライズしていた。時間は待ってくれない。センスレスネスな気持ちが時に パーパスを抱きそこに向かう行為に意味を持つ。それは理屈では語れない。 途中 North QLD に於ける壮大な SugerCornFarm の同じ景観が長く続いたが何故か心の平安をもたらした動と静寂の一帯。 変わり行く有機体は時代と様式を包括する。方々途中下車含め結局ケアンズ到着までは 3 日間を要した。(一人ではゴシタイ)

道場にて出会った M のアイデリズム。 M とのエバルエーションは面白く反面 切ないテンションを追っていた。ほんの僅かな時間に微笑を見せ夢中に 話しかけられ、何らかのステートメントを送ってくる。 冷たさが悲しみに優しさが暖かみを望む。あえてサイレントリスポンスを 与えていた。無邪気で純粋な子は光を与えてくれる。 その子はセンセテブでもあった。どこか知らされつつある過去に閉ざされた欲望の中にジェラシーが潜む。そんな行為に意味があったのかこの時点では
分からない。状況に対するソルーションは分かり得なかった。

典型的な状況シチュエーション。静まった感覚からソロは始まった。 真実は奏でる時が最も表れる。聴衆或いは観衆のパセプション、捉えた真実は ベリーフで示された。聴衆のフェイシャルリスポンスとナチュラルなリアクション そして、ある一人の見知らぬ聴衆からそっとコメンタリーが発せられた。 何も言わずただ一礼。感謝。まだ“氣”はインテンションされる所に置かれている。 この間の価値、人に何かをもたらすか否か。何処に軸を置いているのか、 自分の行為の理由付けが絶え間なく起こっている。リミットレスな転換創作の中、 そこに於ける存在感、一個人の存在でしかない瞬間、行き先の成り行きは セルフ‐デナイヤルにナチュラルスタンスであった。その瞬間感じた出来事、思いを M は綴っている。 思えば微笑ましく額に汗して純粋に見えた一時一時の巡り合い。そこにも何らかの真実を残した。 「写真を一緒に・・・」と、その子のデマンドに答えてあげられなかった。理由はただタイミングの問題。 何気なく表情を寄せてきた M の行為にシンパシーを送れずにいた。あの場所、あの状況、あの瞬間には戻れない。 ゆっくり話す時間も無く写真一枚も撮らずに気の毒な思いをさせてしまった。

ケアンズを発つ朝、一通のメールが入っていた。瞬間を綴ってくれた素直な気持ちのリスポンスは心を打つ。そしてファイナルステートメントに「シドニーでお会いできれば・・・」と。そのグッドウィルを残して、あの子のピュアな面影が脳裏をかすめ、
その優しさに安らぎを感ずる。

本物以上に確実なものは無い。正確に文化を理解又表現するには、その文化の中で生活しなければならない。

Nothing is more authentic than the real thing. It takes living and breathing a culture to really understand it and portray it. - ask your heart for the future.

合掌








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